Flathority スタッフ独自の視点から
鞄や革に関する話題を企画、公開していきます。

是非、ご覧下さい。

VOL.01[鞄制作の基本工程と鞄職人]
VOL.02[裁断工程と裁断職人]
VOL.03[桐トランクとサンプル職人]
 
 
--Project vol02-

「Flathority 裁断職人・上岡 高」
今回は、革を取り上げた企画です。一概に革と言ってもたくさんの種類の革があります。
革によってケアの仕方も様々です。
そこで紹介するのは革を裁断し続け、40年のFlathority 上岡さん(67)

小さな体で、自分の何倍もある裁断機を手足のように扱う裁断のプロ。
取材に対して乗り気ではないのか照れなのか早口で少し荒い言葉づかい、でも神経質に革キズをチェックしていくギャップが粋な下町の男。

上岡さんは中学卒業と同時に茨城から東京に上京。浅草近郊で革を学び26歳から裁断職人として40年間ひたすら裁断機を動かし続けている。

 

「最初は営業だってやったよ。当時通った営業先で社長の子供の相手なんかもやらされたな。その子供が2代目としてこの工房に来た時にはびっくりしたな。ビッとしてやがった。この業界は本当に狭いからそんなこともあるんだよ。」

「この業界は狭い所で回っている。そこは少し問題だな。もっと大きくやらねぇと」

67歳とは思えない勢いある発言には圧巻。


「裁断」
工房には大型の裁断機が3台小型が1台、朝8時〜夕方6時過ぎまで
大きなうなりを上げ稼動し続けていてその中の大型の革専用裁断機周辺、通称・上岡ゾーン。ここで説明が開始された。
まず最初に、革を広げ一枚一枚キズが無いかどうかをチェックします。
キズと言っても革は自然界の副産物ですから、人間の肌と同じでみんな
一つ一つ違った表情をしていて、トラといわれる背中の部分に見られる模様や、牛を管理する際の焼き印など様々なものがあります。
(欧米では革の「キズ」一つ一つがその革の表情として、当たり前のようにとらえられています。)
革キズのチェックが済んだら、手早く裁断機に革をのせ、ショルダーベルト等の長いもの、胴伴と大きいものから順に型入れをしていきます。
キズをよけつつパーツごとに適当に革を当て込んでいくのは、相応の経験が無ければなりません。ただ何となく裁断してしまうと革というのは伸び縮みを計算しなければならないのと、革の種類によって、それがみんなバラバラだからです。
例えばハンドルでは伸びきって使い物にならないなんて事が起こったりします。
黙々と手際よくスピーディーにこなしていた裁断の手を止め、手断ちを始める。

「もちろん場所によって手断ちも必要なんだ。」

「裁断のポイントはやっぱり正確に素早くやる事だろうな。裁断機の高さと抜型の高さをスレスレに設定するんだ。これだけで裁断の効率が上がる。まだまだ若い奴にも負けないよ」

「毎日が真剣勝負さ、仕事は絶対手を抜いちゃいけねぇよ!」

工房全体に一喝!

そう言うと、また裁断機のダイヤル式の電源を回し、工房全体に
うなりのようなモーター音が響かせ、裁断をはじめた。
-今回裁断していたのはFeatherシリーズで使用しているレザー-
-ブライドルレザー-   -ソフトシュリンクレザー-
 
本場イングランドのブライドルレザー(ロウビキタンニン革)で銀面をスった後に繊維の奥の奥まで行きわたるようにロウをしみ込ませ光沢とハリ感が出るまで叩き上げた革。
そのツヤと銀面の強さは他の革よりも上ですが、細かいキズが付きやすい特性があります。
気温が下がるとロウが浮き出てきます。
(カビではありません)
  まるのキップ伴レザーでとても手触りが良く表情豊かに鞄を引き立ててくれるような革です。
ぜひ店頭で実際手に取って触ってお確かめ頂きたいです。


上岡 高
上岡さんは、そんな裁断の現場に40年間たずさわる事で、積み重ねてきた経験と豊富な知識を武器に毎日大型裁断機の前で奮闘しています。
一見、簡単な単純作業に思える裁断も、実は鞄を作る上で、商品の出来を左右する重要な行程です。何よりも経験と知識を必要とします。

今回紹介したのは、代表的な工程で商品によってはもちろんこの他たくさんのこだわりや工程があります。

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