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【エイジングレポート】オリジナル水染めオイルコードバンを半年間使用した経年変化をご紹介

 

「いつの間にこんなに変化してたのか」

 

半年間メンテナンスを放置してきた名刺入れをブラッシングしようとして、久々に手にしてみたときに「思っていたよりエイジングしている」と思いました。この名刺入れはFlathorityオリジナル水染めオイルコードバンを用いたもので、2020年の夏から半年間使用してきました。

waterOil Cordovan Card Case (FM-704) ¥17,600(税込)

※上記写真は新品時のものです。

 

革好きの方には高い知名度を誇るホーウィン社製シェルコードバンはインターネットで検索すると多くのエイジングレポートが見つかります。一方、オリジナルコードバンはFlathorityだけの取り扱いであるため、どんなエイジングをするのかあまり情報が出回っておらず、気になる方は多いのではないでしょうか。

本日は、私が実際に半年間使用したオリジナコードバンを用いた名刺入れのエイジングレポートを行って参ります。

 

この記事をご覧いただけければ、オリジナルコードバンの魅力を更に知っていただけます。新品とエイジング後に大きな違いがあるので、その変化をお楽しみください。

 


Flathorityオリジナル水染めオイルコードバンとは

水染めオイルコードバンは弊社と宮内産業のコラボで実現したFlathorityだけで手に入るオリジナルのコードバンです。

コードバンとは、農耕馬の臀部にある皮から削り出されたコードバン層を鞣して作られる革のことを指します。コードバンは皮の内部にある床面(革の裏側)を削り、高密度な層のみを使用して作られます。そのため、伸びにくく型崩れしにくいという特徴があります。

 

そんなコードバンの加工は、熟練した手仕事を必要とするため製造できるタンナーが大変少なく、世界的にも指で数えるほどしかありません。宮内産業はコードバンの鞣し加工ができる希少な技術を有する企業の一つで、日本のランドセル用コードバンの約9割を生産しています。

そんな世界有数のコードバンタンナーである宮内産業とコラボで生まれたのがFlathorityオリジナル水染めオイルコードバンです。

文字通り染色には染料を、仕上げにはオイルを用いたコードバンで、発色の良さはコードバンの中でも随一。このコードバンをリリースしてから最も反響をいただいた「ブルー」は、オリジナルコードバンの中でもアイコン的な存在となっています。

オリジナルコードバンについてはこちらで更に詳しくご紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

 


オリジナルコードバンの特徴は?

エイジングを見ていく前にオリジナルコードバンの特徴を確認しておきましょう。元の状態を知ることで、変化量の大きさをよりはっきりと認識いただけます。
※特徴をまとめるにあたって、同じコードバンであるホーウィン社製シェルコードバンと比較しています。

 

水染めオイルコードバンの特徴まとめ

  • ・動物由来のピンホール(毛穴)がそのまま残っている
    ・使いはじめはマットな表情
    ・使いはじめは硬さとハリがある

 

以上が特徴になります。

オリジナルコードバンは水染めで染色しているため、色素が革表面を覆うことなく染まっています。そのため、動物由来のピンホールがそのまま残っています。また、仕上げの違いにより、ホーウィン社製シェルコードバンと比べるとハリ感が強く、よりマットな風合いです。

左:オリジナルコードバン 右:シェルコードバン

見比べると全く異なりますね。

素材は同じ「コードバン」であってもメーカーの特徴が強く感じられます。比べることでそれぞれの特徴を感じていただければ幸いです。

 


カードケースを半年間使用しました

お待たせしました。ここからは私が半年間使用したカードケースのエイジングを見ていきましょう。

 

カードケース使用状況

  • 使用歴:半年間
    使い方:シザーケースにそのまま収納していた
    手入れ:写真撮影の前に一度クリーム塗布

 

新品と並べた写真をご覧ください。

左:新品 右:半年間使用

いかがでしょうか。

使いはじめのハリがありマットな風合いから一変しています。ツヤがグッと高まり、深みはより一層増していますね。たったの半年間だけの使用ですが、ここまで変化するのは驚きです。

誤解を恐れずに申し上げると「シェルコードバンの特徴に似てきた」ようにも思います。

左:新品 右:半年間使用

コードバンは先にも申し上げた通り、高密度な繊維の塊です。シェルコードバンはその繊維を寝かしつけることで艶感を生み出しています。

一方、Flathorityオリジナルコードバンは繊維を寝かしつける工程をホーウィン社ほど念入りには行っていません。なので、使いはじめはマットな風合いなのです。しかし、使い続けることで繊維が自然と寝ていき、艶のある表情に変化したと考えられます。

 

左:半年間使用 右:新品

新品の方はハリが強く、完全には閉じ切っていませんが、私の名刺入れは完全に閉じ切っています。新品と同じ革とは思えないほど柔らかくなっていますね!

 

左:新品 右:半年間使用

内装革はこんな感じ。

あまり違いがないようにみえますが、実物は6ヶ月使った名刺入れの方がより濃くなっています。しっとり感も増して、より触っていたくなる質感です。

 

以上、エイジングレポートでした。かなり変化しているのが伝わりましたか?

オリジナルの水染めオイルコードバンは、経年変化の量だけで見ればシェルコードバン以上の変化を見せてくれます。経年変化が大好きな方はきっと気に入っていただけますよ!

 


まとめ

本日は私が実際に半年間使用したビジネスカードケースのエイジングレポートをお送りしました。

名刺入れのメインマテリアルである水染めオイルコードバンはFlathorityと宮内産業が共同で開発したオリジナルレザーです。

このコードバンは、使いはじめはマットな風合いと強いハリを持っています。しかし、オリジナルコードバンは使い込むと、徐々にクタッとなり、吸い込まれるような深みと、美しいツヤを持った皮革へと変化していきます。

 

Flathorityオリジナル水染めオイルコードバンは革小物を育てていきたい方に大変おすすめしたい皮革です。このエイジングレポートが少しでも参考になれば幸いです。

 


本日紹介したアイテム


waterOil Cordovan Card Case (FM-704) ¥17,600(税込)

 


同じ皮革を使用したアイテム


waterOil Cordovan Round Coin (FM-711) ¥25,300(税込)

 


waterOil Cordovan Pencil case (FM-712) ¥18,700(税込)

 


waterOil Cordovan Short Wallet (FM-702) ¥35,200(税込)

2021.02.02 | 革
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