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裁断される前のプエブロレザーをご覧になったことはありますか?

Flathorityが取り扱う牛革の中で、最も高い人気を誇る皮革がプエブロレザーです。私も大好きな皮革の一つで、入社前からFlathorityのメガネケースを愛用しています。

私物のメガネケースがこちら

このメガネケースが非常に高い支持をいただいており、現在公式ホームページ上では品切れ状態。なるべく早く再出品できるよう製作に取り掛かっています。

ちょうど、メガネケースを製作するためにプエブロレザーを裁断していたので、裁断前のプエブロレザーを撮影しました!

 

メガネケースや財布などの商品として皮革を見ることはあっても、裁断される前の皮革を見ることってあまり機会がありませんよね。

本日は裁断前のプエブロレザーをお見せしたいと思います!

 


そもそもプエブロレザーとは

プエブロレザーは、イタリアのバダラッシカルロ社によって植物タンニン鞣しで作られた牛革です。

原皮には生後2年以上の雌牛のショルダー部分のみを使用し、化学薬品を一切使用せず、植物のタンニンだけで鞣されています。鞣し加工後には、牛脚の脂をゆっくりと浸透させることで、油分をたっぷり含んだオイルメンテナンスいらずの革が完成します。

 

以上の製法は「バケッタ製法」と呼ばれる手法で、1000年以上前から存在する古典的な加工法なんだとか。

 

プエブロレザー最大の特徴は独特な和紙のような風合いにあります。革の表面をやすりで起毛させているため、触れると少しざらっとした質感です。

 

一般的な牛革とは全く異なる質感ですよね。一般的ではないのに「非常に革らしい」と思える点も多くあります。香りや経年変化の豊かさはどの革よりも「革らしさ」を感じていただけます!

使い始めこそ和紙のような風合いですが、比較的早い段階からエイジングするのも特徴の一つです。毎日触れる財布であれば、半年もすれば光沢のある状態へ変化します。

同じ色、同じプエブロでもこんなに変化します

プエブロレザーのエイジングレポートについては過去の記事で詳しく解説しています。気になる方は以下の記事をご覧ください。
>入社前から使っているプエブロレザーが育ってきました【エイジング紹介】

 


裁断前のプエブロレザー

前置きが長くなりましたが裁断前のプエブロレザーがこちらになります。

プエブロレザーの基本情報でもお伝えしましたが、プエブロレザーはショルダーのみを使用しているため、入荷の段階では四角い形状をしています。

1枚の大きさは卓球台の片面より一回りほど大きいくらい。ショルダー部分だけとはいってもかなりの大きさです。

こちらはネイビー(ペトローリオ)カラー

ショルダー部分は、人間と同じく頻繫に稼働するため、密度が高く非常に丈夫な部位です。その密度の高さから、伸びにくく革小物には最適な部位といえます。

血筋やトラの様子

プエブロレザーは小さく裁断されて、財布などの商品になると、和紙のような風合いだけに注目が集まります。しかし、裁断前の状態を見ていただければ良く分かりますが、動物由来の跡も多く残っています。

プエブロレザーはイタリア産らしく「染料」で仕上げられており、表面を覆い潰すような染め方をされていません。そのため、発色の良いカラーリングとシワやトラがそのまま残るといった特徴を持つのです。

そんな、素材自体が1つとして同じものではないプエブロレザーを、なるべく品質に差が出ないよう丁寧に裁断していきます。裁断一つとっても職人技。商品にならない個所を目視で避けつつ、パーツを抜いていきます。

こうして裁断されたプエブロレザーが、Flathorityの人気シリーズであるLandシリーズへ姿を変えていきます。別の記事ではLandシリーズの特徴をまとめていますので、気になった方は、以下のリンクをポチってみてください。
>【プエブロレザー特集】財布やペンケースに共通した特徴をご紹介します


まとめ

本日は裁断前のプエブロレザーをお見せしました!

 裁断前の皮革って以外と目にする機会の少ないですよね。Flathorityは工場発のファクトリーブランドなので、弊社の倉庫には様々な皮革が裁断前の状態で保管されています。

今後も、日常ではなかなか見ることのできない製造の裏側をご紹介しますよ!

 

以前のブログでは、コードバンを濡らすなどの実験も行っていますので、このブログを通して更に皮革を更に楽しんでいただければ幸いです。

 

それでは、また~

 

2021.02.04 | 革
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