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【カビ対策】梅雨入り前に覚えたいレザーアイテム保管方法

革製品にとって天敵となる季節がやってきます。そう、梅雨です!

沖縄では既に梅雨入りが宣言され、梅雨前線はどんどんと北上中。Flathorityの工房がある東京都葛飾区も6月上旬ごろには梅雨入りされると見込まれています。

この時期は雨の日が連続することから、革製品は一時お休みさせてクローゼットや棚に収納される方も多いのではないでしょうか。雨染みは革にとって天敵ですからね。ただし、梅雨時期だからこそ収納にも注意が必要です。湿気の多い季節では保管方法一つでアイテムの寿命を大きく縮めてしまう場合があります。

そこで、本日はレザーアイテムのおすすめ保管方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください!

 


通気性を確保する

湿気対策として最も重要な要素は通気性の確保です。カビはジメジメした場所が大好き。湿度70%を超える環境がカビにとって居心地の良い環境なんだそうです。

梅雨時期は除湿をしない限り、どうやっても湿度70%を超えてしまうのでしっかりと対策しましょう。

 

バッグの保管は吊るす>立てる>寝かせるの順番で効果あり

通気性を確保するにあたって必要な考え方は「革製品と空気の接する箇所を増やすこと」にあります。逆に、革製品が壁や床になるべく触れないように保管すれば良いと言い換えることができますね。

つまり、バッグなどのフックやハンガーに掛けやすいアイテムは宙吊りにしておくのが最も有効です。

宙吊り保管のイメージ

 

次いで、立てて保管>寝かせて保管の順でバッグにとって優しい保管方法になります。寝かせて保管はバッグの胴面が床に触れることになりますから、接地面がどうしても多くなるため最も避けたい保管方法です。

また、立てて保管していてもクローゼット内がギュウギュウに詰まっていると、あまり意味がないのでご注意ください。7割収納くらいが見た目もスッキリするのでオススメです!

 

クローゼットや靴箱は定期的に換気する

収納方法だけでなく、定期的な換気も重要です。
クローゼットや靴箱は扉を閉めておくのが基本なので湿気がこもりがちになってしまいます。定期的に扉を開けて空気を入れ替えるよう気にしてあげてください。その際、エアコンのドライモードやサーキュレーターを当てるとより効果的です。

レザーアイテムは一度カビさせてしまうと自宅でクリーニングするのは大変難しいとされています。週に1回、数時間の換気で対策できるのでしっかり取り組んでいきたいですね!

 

袋に入れるなら通気性の良い素材選定が必須

レザーアイテムは愛着が湧きやすく大切にしたいという思いから、梱包してから収納する方も多くいらっしゃいます。

ほこりもレザーにとって天敵ですから梱包するのは良い対策なのですが、梱包する素材によってはレザーにとってマイナスに作用してしまう場合があります。

 

それが、通気性の低い素材で梱包してしまうこと。梅雨の保管において大切なのは「通気性の確保」ですから、梱包材も通気性の高さでお選びください。

ほこり除けならこの程度で十分効果があります

特に不織布がおすすめです。反対に、ビニール袋は湿気が逃げられなくなってしまうので極力避けるべき素材となっています。ビニール袋は手軽に手に入るためしばしば用いられがちなのでご注意ください。

 


その他知っておきたい3つこと

ここまでは通気性を確保する方法についてご紹介してきました。続いては、その他知っておきたい3つのことについてご紹介します。

 

詰め物・乾燥剤を使う

1つ目は「詰め物・乾燥剤を使う」です。

新聞紙や藁半紙が効果的

湿気を吸収する素材を使うことでカビの発生を抑えることができます。バッグの中に要らなくなった新聞紙を入れるだけでも効果的です。※新聞紙のインクが色移りする場合がございます。

また、百円ショップなどで販売されている乾燥剤をクローゼットや靴箱に入れておくと万全ですね!

 

梅雨時期のメンテナンスは乾拭きだけでOK

2つ目の知っておきたいことは「梅雨時期のメンテナンスは乾拭きだけ」です。

レザーアイテムのメンテナンスといえばクリームを使ったブラッシングをイメージされる方も多いのではないでしょうか。レザーにとってクリームメンテナンスは大切な作業の一つですが、梅雨時期に関しては乾拭きだけで大丈夫です。

クリームは乾燥による革の割れを防止するためのアイテムなので、多湿の時期には過剰な保湿になってしまいます。また、クリームには樹脂などの有機素材が使われているためカビにとって格好の餌となる場合もあります。

以上を踏まえると梅雨時期には過剰なクリームメンテナンスを控えて、ブラッシングだけで済ませるのが最も無難。クリームメンテナンスはレザーアイテムを濡らしてしまった場合や、かさつきが強い時だけ行うようにしてみてください。

 

窓際や壁際保管は要注意

最後の知っておきたいポイントは「窓際や壁際保管は要注意」です。

先ほど通気性を確保する話の中で「宙吊り保管」をご紹介しましたが、既に宙吊り保管を実践されている方の中で壁に吊るしている方はいませんか?
もしかしたら、レザーにとって負荷のかかる保管方法になっているかもしれません。

というのも、窓際や壁際は外と屋内の気温差によって結露が起こりやすく、結露によって発生した水分をレザーが吸収してしまうことがあるのです。

吊るし保管自体は素晴らしい保管方法なので、レザーと接してる窓や壁、床に結露や極度な温度変化がないかチェックしてみてください。

 


最後に

本日は梅雨入り前に覚えたいレザーアイテム保管方法と題して、梅雨に注意しておきたい保管のポイントをご紹介しました。

最も大切な要素は湿気対策なので、通気性の確保や乾燥剤の活用をご検討ください。

また、以上を踏まえて対策をしていても住環境によってはカビてしまう場合がございます。一度カビると個人で対処するのは正直難しいです。カビって結構根深く繫殖しますからね。

もしカビが発生した場合は、専門業者へ持ち込むのが最も手っ取り早く間違いありません。しかし、費用もかかってしまうので、ご自宅でできる対策をしっかり実践していきましょう!

 

この記事が参考になれば幸いです。過去の記事ではコードバンの水濡れについて実験を通じてご紹介しているので、こちらもご覧ください。

 

それでは、また~

2021.05.11 | 革
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