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人気のブリーフケースを準備中です【裁断の様子をご覧ください】

クラシックなスタイルで人気をいただいているビジネスバッグがアントニオブリーフです。Flathorityを代表するこのブリーフは、銀行員などの厳格なお仕事にも使える普遍的なデザインなので多くのビジネスマンから好評をいただいています。


Antonio Briefcase (FA-101) ¥50,600(税込)

 

そんなアントニオブリーフですが、ありがたいことに現在、本ホームページ上では在庫切れ。お客様には入荷までお待ちいただいている状況です。

先日、ようやくアントニオブリーフ用のレザーが入荷しまして、社内では裁断を行っていました。そこで、本記事では裁断の様子を皆様にシェアしつつ、革の豆知識をご紹介します!

 


Flathorityのブリーフケース【王道スタイルに遊び心を備えた本革ビジネスバッグ】

 

そもそもアントニオブリーフとはどんなバッグなのでしょうか?

私の個人的な意見ではありますが、アントニオブリーフは『王道スタイルに遊び心を備えたビジネスバッグ』なんです。

なぜそう感じたのか、順を追ってご紹介します。

 

どこでも通用する王道のブリーフケース

まずは外観です。外観はブランドロゴもない、レザーと金具だけが見える上品な仕上がりとなっています。昔ながらの手持ち鞄で、スーツにもピッタリなデザインとなっています。

ビジネスマンにとって仕事道具を入れるバッグは、長年持ち歩く武器であり、相棒です。アントニオブリーフは長期間使うことを想定しているからこそ、どの年代の方が持っても恥ずかしくない王道のスタイルを採用しています。

 

金具一つとってもシンプルながら違いを生み出します。

意外と重要なのがハンドルの根元などに使用されている金具達です。

見逃されがちですが、金具類が安っぽいと途端にバッグ全体も安っぽく見えてしまいます。なので、Flathorityでは金具選定にも力を入れています。

左:上ニッケルメッキ 右:通常のニッケルメッキ

 

アントニオブリーフに採用した金具は全て上ニッケルメッキ仕上げ。一般的なニッケルメッキよりもツヤッとしており、光沢が美しい仕上げです。このように細かい部分までこだわることで、王道でどこに出しても良いとえるブリーフケースを製作しています。

 

遊び心はどの部分?

では、冒頭にお伝えしたい「遊び心」とはどの部分を指しているのでしょうか?

 

それはズバリ『内装生地』になります。

外観がこれだけ王道のカッチリブリーフだと、内装も王道カラーであるブラックやネイビー、ブラウンなどのメンズらしいお色味が選ばれることが多いです。そんな中でアントニオブリーフは王道から外れたカラーを採用しています。

 


【少し脱線】

メンズアイテムはレザーも洋服も圧倒的にブラックが人気です。

原色に近いほど人気がなく、生産数もブラックを頂点として、原色へ向かうにつれ下がっていきます。そのため、店頭には色んな色が置いてあっても、バックヤードには黒ばかりということも少なくありません。

Flathorityもブラックカラーが圧倒的人気

 

皆様の持ち物は何色ですか?ぜひチェックしてみてください。

 


アントニオブリーフの内装は鮮やかなグリーン

 

本筋に戻りましょう。アントニオブリーフの内装生地にはリモンタ社のナイロンを採用しています。

そして、カラーリングはモスグリーン。このモスグリーン生地は、王道のブラックやブラウンなど明度の低い色味ではなく、トーンの明るい色味です。

蛍光灯の下でスマホ撮影した見え方

 

外観は王道ブリーフケースなのに、内装はあまり市場でも見られないモスグリーン。これは遊び心と言ってしまってもいいのではないでしょうか。

 

このモスグリーンを採用した背景には、「機能性の確保をするため」といった側面もございます。

モスグリーンの機能性とは視認性の良さです。ただでさえ、バッグの中には光が入りづらく、見えづらいですよね。皆様もバッグの中をガサゴソと漁った経験があるかと思います。

そんな視認性の低いバッグ内部に明度の低いブラックやブラウンの生地を採用すると、更に視認性が下がってしまいます。そこで、アントニオブリーフでは明るいモスグリーンを採用しました。

明るい生地がちょっとしたレフ版の役割をすることで、バッグ内部の視認性が向上します。遊び心と機能性を両立した設計といえますね。

 


革を読みながら裁断中

アントニオブリーフの魅力を知っていただけましたか?

ここまでご紹介してきたアントニオブリーフを現在、裁断中です。

裁断にあたっては、細かいところに気を付けなければいけません。製品の良し悪しが決まる重要な工程だからこそ、細心の注意を払って作業にあたっています。そこで、Flathorityではどんな事に注意を向けているのかご紹介しつつ、裁断の様子を見ていこうと思います。

 

そもそも革は全てを使い切ることができない

当たり前のことかもしれませんが、入荷された革の全てを製品にすることはできません。革は生き物から作られているので、動物由来のキズやシワがあり、過剰に傷んでいる箇所を避けながらパーツを切り出していきます。

半裁で入荷された革の様子。傷や角の部分は製品になりません。

 

どんぶり勘定ではありますが、入荷した革を100とすると、製品になる革の量は60程度なんです。この中には端切れも含むので、全てが傷やシワを原因としているわけではありませんが、製品化できない箇所って意外に多くありませんか?

だからこそ、革を見慣れた裁断職人が革を読みながらパーツを切り出します。なるべく無駄なく、品質に差が出ないように裁断するには練度が必要なんですね!

 

パーツに適した場所、方向で裁断していく

アントニオブリーフは革のパーツだけでも41個あり、それらを組み合わせることで生み出されています。そんな41個のパーツにはそれぞれ役割があり、役割に適した裁断がもとめられるんです。

例えとして、バッグ前面のパーツに関する裁断方法をご紹介します。バッグの前面はいわゆる「顔」に当たるパーツですから、最も状態の良い部位から切り出していきます。牛革にとって大トロは背中からお尻の中央部です。なので、前面パーツは中央に近い部分から裁断しています。

 


【牛革の大トロについて】

こちらの絵は日本皮革技術協会から参照したのものです。絵からもわかる通り、牛革には繊維の向きあり、背中中央から放射状に向かっています。背中中央は繊維の密度が高く、腹部は密度が粗くなっています。

革伸びによる型崩れが起こりやすいバッグにとって、繊維密度の高い中央部は大トロといえるのです。

 

このように革の知識や経験を基に、適材適所かつ無駄なく裁断を行います。革を読めるようになるにも時間と経験を要するというわけですね!

 


鋭意製作中です

本日はアントニオブリーフの裁断の様子をご紹介しました。

裁断一つとっても職人の技や経験が生かされているんですね。こうして裁断されたパーツを一つ一つ縫い上げることで、皆様が目にしている製品が仕上がっています。

少しでも早くお届けできるよう鋭意製作しています。完成をもうしばらくお待ちください。

 


本日紹介したアイテム


Antonio Briefcase (FA-101) ¥50,600(税込)

 

それでは、また~

2021.09.10 | その他
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