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【エイジングを早める】ヌメ革を1か月ほど窓際に放置してみた

 梅雨明けから暑い日差しが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

人にとっては厳しい環境の真夏シーズンですが、せっかく強い日差しが降り注いでいるので、なんとかこの日差しを利用してみることにしました。

何をしたかといえばタイトルにある通り、7月の日差しを使ってヌメ革を窓際に1か月ほど放置。いわゆるレザーの日光浴と呼ばれる手法です。

日光浴自体は個人的に疑問視している部分があり避けてきたのですが、やったことのない手法を否定するのも良くありませんよね。そこで、実際に最も紫外線の強い7月に日光浴をさせてみました。

結論では日光浴前後の革を並べてご紹介。日光浴がおすすめか否かまでお伝えできればと思います。

では、いってみましょう!

 


そもそもエイジング(経年変化)とは

まずはエイジングがどのような現象なのか確認します。

エイジングとは、レザーアイテムを使用するに従って、レザーの様子や雰囲気が変化する様を指します。

色、艶、手触りや厚みが摩擦や手の油、紫外線によって劣化していくことで歴史が刻まれるように変化していくのです。

エイジングは環境によって千差万別の変化を見せるため、1つとして同じエイジングは存在しません。

持ち主の暮らしを反映させる写し鏡のような楽しさがレザーにはあります。自分だけの世界に1つしかないアイテムに育てるエイジングこそ革製品の醍醐味といえるでしょう。

 


ヌメ革の日光浴

エイジングがどのような現象か分かりましたでしょうか。

ここからは本記事の本題であるヌメ革の日光浴について話していきましょう。

 

度々ネットでも話題になるヌメ革の日光浴ですが、皆様は耳にしたことありますか?

先ほどご紹介したエイジングですが、実際にヌメ革を使い続けてみるときれいにエイジングさせるのって難しいんですよね。

一部だけ黒ずみがでたり、片面だけ艶が強く出たりと使い方の癖によって時には汚らしいエイジングになってしまいます。

そこで、きれいにエイジングさせる手法として話題に上がるものが日光浴です。

使用する前に強制的に日焼けさせることでキレイなエイジングを楽しむんだとか。

一見すると優良な手法ですが、デメリットはないのでしょうか。メリット・デメリットの観点からご紹介します。

 


ヌメ革の日光浴によるメリット・デメリット

 

  • メリット
    ムラなく均一にエイジングを促進できる
    汚れや水濡れが目立たなくなる

 

最大のメリットは先にも述べたように均一なエイジングです。日光を満遍なく当てることで一段濃い色味へ変化させます。このようにすることで「こっちは黒ずみ、こっちは元のヌメ革の明るさ」といった様を回避します。

また、革の色が濃くなることで汚れを目立たなくさせる効果も期待できるのです。

 

  • デメリット
    自分でエイジングさせる楽しみがなくなる
    過度に乾燥しすぎるとひび割れる

 

デメリットは2つご紹介します。

1つめはエイジングの楽しみがなくなる可能性です。

やはり、革製品は自分だけの世界に1つしかないアイテムへ育てることが楽しいと思います。

日光浴は一気に飴色に変化するので、じっくりとレザーが自分仕様に馴染んでいく楽しい時間をなくしてしまうことに繋がります。

じっくりと育てたい方にはおすすめできない手法といえるでしょう。

また、日光に当て続けると革を過度に劣化させる可能性があります。最悪、革が乾燥しすぎてひび割れや収縮を起こす場合も考えられるのです。

以上の2点には十分注意しましょう。

 


1か月間ヌメ革を放置した結果

日光浴のメリット・デメリットは分かりましたか?

お待ちかねのヌメ革を1か月間窓際で放置した結果をご紹介します。

左:新しい革 右:日光浴させた革

いかがですか?

均一でキレイな飴色になったかと思います。今回の実験ではひび割れもなく好印象に仕上がりました。

室内とはいえ、7月の日光に当て続けたわりには状態が良くて驚きです。

日焼けさせていないヌメ革と比べると明らかに違っていて一段濃くなりました。

 

エイジングを促進させたい方が日光浴を選択する理由が分かったように感じます。

※日光浴を推奨するものではありませんので、日光浴を実施される際は自己責任でお願いします。

 


自分の私物を日光浴させるか?【筆者の場合はやらない】

本日はレザーの日光浴について実態が気になったので実験して、結果をご紹介しました。

結果、ヌメ革は均一に色が濃くなって無事にエイジングを促進させることに成功。エイジングを早める手法として一定の効果があると分かりました。

では、筆者個人は日光浴をさせるのかと言いますと、タイトルにある通り私の場合はレザーの日光浴はしません。

といいますのも、私の場合は自然なエイジングを楽しみたい派でして、仮に汚くエイジングしてしまっても成るように成った結果に愛着を抱くタイプなんですよね。

加えて、レザーの劣化リスクも鑑みると選択しないとの結論に至りました。

ただし、今回の実験から、やり方によっては想像よりも劣化しないことが分かりましたので、エイジングを促進したい方やきれいにエイジングさせたい方には選択肢の1つになるかと思います。

それぞれの方に合ったやり方でレザーを楽しんでいきたいですね。

 

本日は以上です。では、また!

2022.08.11 | 革
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