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ブラッシングがレザーアイテムにもたらす真の効果【毛細管現象の抑制】

レザーアイテムのケアとして最も定番のブラッシングですが、皆様はブラッシングをされていますか?

私自身は革靴であれば使用する度にササッとブラッシングすることを心がけています。

一方、革小物は長期間ブラッシングしないこともしばしば。(ぶっちゃけサボりがちです)

 

この記事を見ていただくようなレザーに強い関心がある方は、レザーアイテムのケアをされる際にブラッシングをしていらっしゃる方も多いかと思います。

様々な媒体でレザーケアの代表的な工程としてブラッシングを紹介していますし、当たり前のようにケアルーティンに組み込んでいるのではないでしょうか。


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一方で「ブラッシングって何を目的に行っているんだろう?」と考えてみたことはありますか?

よくよく思い返してみると、レザーケア=ブラッシングが定着しすぎていて、ブラッシングの目的まで思いを馳せることって案外ないんですよね。

 

そこで、本日の記事ではブラッシングの真の効果について深掘りしていきます。

本記事をご覧いただければ、ブラッシングの真の意義をご理解いただけることでしょう!

 

それでは、参ります!

 


レザーケアの手順おさらい

ブラッシングの効果を説明するにあたって、そもそもとしてレザーケアにおいて、どのタイミングでブラッシングされていますか?

一般的な工程をおさらいしていきましょう。

 

一般的なレザーケアの手順

  1. ブラッシング(汚れホコリの除去)
  2. ステインリムーバーなどで汚れ除去
  3. クリーム塗布
  4. ブラッシング(余分なクリームの除去)
  5. 磨き(ブラッシング)

 

多くの場合では、以上の5つくらいの項目に分かれるかと思います。

関連記事:年末年始はお家でゆったり革製品をメンテナンスしませんか?【誰でも出来る超簡単お手入れ方法をご紹介】

 

この中でブラッシングと呼ばれる工程は1と4と5です。

1と4は何かしら除去する目的、5は美観を高めるためにブラッシングが行われます。

 

この中で、1つ目の汚れホコリの除去を目的としたブラッシングこそ、本記事のメインテーマです。

4と5は実際のところ応用にあたり、正直やらなくても「劣化」という側面では問題はありません。

一方、1の汚れホコリの除去はやらないとレザーアイテムの寿命を大きく損ねることもしばしば。

つまり、4と5のブラッシングは極論やらなくても良いけれど、1のブラッシングは必ずやらなければならない工程なのです。

 

下記では、汚れホコリの除去を目的としたブラッシングが必須な理由について、レザーに起こる現象を交えてご紹介します。

 


ブラッシングで毛細管現象を抑制!

ブラッシング最大の効果は汚れやホコリの除去です。

繰り返しになりますが、この工程を蔑ろにするとレザーアイテムの寿命は一気に短くなります。

汚れやホコリの除去を怠ってはならない最大の理由が記事のタイトルにもある【毛細管現象】です。

毛細管現象の解説をウィキペディアから引っ張ってきました。

“毛細管現象とは、細い管状物体(毛細管)の内側の液体が、外部からエネルギーを与えられることなく管の中を移動する物理現象である。”

・・・正直何を言っているか分かりません。笑

 

ウィキペディアの解説をレザーに当てはめた上で端的に言ってしまうと「汚れやホコリがレザーの油分を吸ってしまう」ということです。

これによりレザーが乾燥してしまい、屈曲などに耐えることができなくなってクラック(銀面の割れ)に繋がります。

実際にクラックした銀面

 

レザーの乾燥対策で「クリームの塗布」を真っ先に思い浮かべる方も多いかもしれません。

もちろん、クリーム塗布も正解ではありますが、「乾燥→クリーム塗布」だけでなく「そもそも乾燥させない」という思考も大切です。

乾燥をさせないためにも汚れやホコリの除去を目的としたブラッシングが重要になります。

 


特にブラッシングが必要なレザーアイテム

ブラッシング最大の効果である汚れやホコリの除去についてご理解いただけましたか?

 

ここからはブラッシングが特に重要なレザーアイテムを2つご紹介します。

1つ目は革靴です。

ビジネスシーンや冠婚葬祭で重宝される革靴は、誰しも一足は持っているのではないでしょうか。

そんなマストハブアイテムである革靴もブラッシングが必須なアイテムの1つです。

 

シューズは直に地面と接していますから、日常の使用や外出時に最もホコリの影響を受けます。

1回の着用だけでも微細なホコリがレザーに付着してしまうため、これを放置するとレザーの油分が短期間で抜けてしまうのです。

油分が抜けると、人の肌と同じで屈曲耐性が大幅に下がってしまいます。冬場のあかぎれ(パックリ割れ)と同じ現象ですね。

乾燥×屈曲はレザーにとって天敵そのものにもかかわらず、靴は屈曲がつきもの。乾燥したまま使用するリスクは上記で説明の通りです。

 

以上のことからも、革靴は使用する度にブラッシングをオススメします。

毎度ブラッシングするのが面倒という方も簡易的なブラッシングは行いましょう。

靴全体をブラシでササッと優しく撫でる程度でもホコリの除去になりますから、作業時間は長くて30秒程度。

日々の30秒が革靴の寿命を何年も伸ばしてくれると考えれば、面倒な気持ちも和らぎませんか?

ぜひ帰宅後のルーティンに取り入れてくださいね。

 


2つ目のブラッシングが重要なレザーアイテムは、長期間使っていないレザーアイテムです。

納戸やタンスの中にしばらく使っていないレザーバッグはありませんか?ホコリが堆積していませんでしょうか?(私はありました)

やはり素の状態で放置するとレザーの劣化に繋がります。

レザーは「使うことが1番のケア」と言われるほどホコリが苦手です。

また、長期間保管したことによって油分が抜けてしまうことも少なくありません。

今後も使っていきたいアイテムであれば、ホコリが貯まる前にブラッシングしてあげましょう。

 


おわり

本日はブラッシングがレザーアイテムにもたらす真の効果と題しまして、ブラッシングの重要性をご紹介しました。

ブラッシングがもたらす最大の効用は「レザーアイテムを長持ちさせること」です。

レザーアイテムは毛細管現象によってホコリに油分を吸われてしまいます。

例えば、冬場に紙やダンボールを長時間触ると手が乾燥してしまうように、レザーアイテムもホコリによって乾燥してしまうのです。

そんな乾燥を防ぐのが本テーマであるブラッシングです。

お財布などの毎日触れるアイテムはホコリが溜まりにくいため毎度ブラッシングする必要はありません。

一方で、地面と接する革靴や長期間使っていないレザーアイテムはホコリが堆積しやすくなっています。

こうした汚れやホコリが付いてしまうレザーアイテムは積極的にブラッシングしてあげてください。

 

皆様の大切なレザーアイテムがより長く使っていけるよう、ケアにも目を向けていきましょう!


関連記事:レザーバッグを長持ちさせる方法【本革】

 

本日は以上です。

では、また!

 


ブラシの取扱品

 


革専用ジャーマンブラシ2(馬毛) (CB-005) ¥1,650(税込)

 


革専用ジャーマンブラシ9(山羊毛) (CB-006) ¥3,300(税込)

 

2023.05.19 | その他
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